2012年12月15日土曜日

結婚は失敗だったのか?

結婚は失敗だったのか?

間違いだったのか?・・・


ある料理の先生が自分の結婚の話をしていました。

この先生は、80歳を超えた大先輩

当時の結婚は、恋愛よりも

親が勧める相手と結婚するのが普通の時代でした。

この先生も、親から勧められた人と結婚しました。

そして、結婚後、先生は考えました。

この結婚は良かったのだろうか?

今日は、この先生の結婚の体験の話をします。

当時の日本は戦争中でした。

戦争も末期の状態で、男性は、どんどん兵隊として
召集される時代でした。

先生が婚約が決まった後、相手の男性に赤紙という
国からの手紙が届いたそうです。

その赤紙は召集令状でした。

赤紙が届いた人は、兵隊として戦いに行かなければいけません。

当時の日本の戦いは厳しい状態で、兵隊は、
特攻隊としての召集だったので、生きて帰れない
ことは、皆が知っていました。

赤紙の話を聞いた先生のお父さんは激怒しました。

「これから死んで逝く男の所に
嫁に行かせる親がどこにいるか!」

「結婚はさせない!」

「この婚約、断って来る!」

「それでいいか?」と

お父さんは娘に聞きました。

先生は言いました。

※当時は娘

「お父さんが思うまま、お父さんの考えに任せます。」

お父さんは、相手先の家に行って婚約を断ってきました。

そして返ってきたお父さんに聞きました。

「先方は、なんて?」

お父さんは、こう言いました。

「快くOKしてくれた。」

娘の先生は「そうですか・・」

そのあと、お父さんは、言いました。

でも、かわいそうだったな・・
泣いていたからな・・・と言いました。

娘は思いました。

「彼が泣いていた?・・・」

じっと黙って考えていた娘が

お父さんに、こう言いました。

「お父さん。私、やっぱり彼と結婚する!」

お父さんは驚いて「え~~~?」

先生は言いました。

「だって、このまま泣いた気持ちで
戦争に行かせたらダメと思うから・・」

お父さんは黙っていました。

そして、この断った相手に連絡をして
結婚することになりました。

結婚生活は、1週間か、2週間か、忘れましたが

短い期間の生活でした。

彼は、すぐに兵隊として旅立ちました。

特攻隊としての任務なので、生きて帰る保証は
どこにもありません。

そして・・あれから何十年も経って

先生は、ずっと独身でした。

料理を研究して先生と呼ばれるようになり

何十年経って考えます。

この結婚は、間違っていたのだろうか?・・・

ある日、彼の声が聞こえたような気がしました。

それは、遭いたいという想い

そうだ!彼が亡くなった場所に行こう!

そこへ行けば、答えが見つかるかもしれない・・

先生は、彼が亡くなったであろうと思う南の国に行きました。

それは、本当に何十年も経ってからでした。

その国は、海が綺麗で、空も海も青い・・

「なんて・・素敵な国・・」

「あなたは、ここで亡くなったんですね・・」

「ここを見せたくて私を呼んでくれたんですね・・」

とても綺麗な場所でした。

でも、所々に、戦争の爪痕は、残っていました。

防空壕のような跡や、壊れた戦車や・・

そして、誰の物なのか分らない兵隊のヘルメットなど

小さな国の街はにぎやかでしたが、少し離れると
そういった戦争の後が見えました。

そして、骸骨なども、まだまだ数多く放置されたままでした。

それを見て先生は、思います。

ああ・・

良かった

良かった・・

結婚して良かったって

待っている人が居るのと、居ないのとでは

死に方が違うだろうって

先生は、南の国に来て思いました。

結婚して良かった

この結婚は間違っていなかった。





「泣かせたまま、戦争に行かせてはいけない」

結婚の理由が、このたった1つの理由

そして、1週間、数日だけの結婚生活・・

今では本当に、考えられないですね。











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